頑張りすぎて・・・・・・

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まるで、取り扱い説明書を読むように「何cc飲ませなきゃいけないのだから、まだ足りない」

「あまり長い時間母乳をのませていると、赤ちゃんが疲れるからいけない」

などなど・・・・大体の目安として渡されただけの紙に振り回されていた。

何もかも、思い通りにいかないのが育児のようで・・・授乳ひとつ満足に出来ない私・・・。


私は焦り・・赤ちゃんの頭を恐々つかみ、何とかして飲ませようと格闘する。

笑顔は引きつり、手はつりそうになり、胸はカチカチに張って熱を持ち痛い。

やっとの思いで飲ませたら、パジャマに吐かれて急いで着替え・・・

泣き叫ぶ赤ちゃんの声が、まるでダメなママを嘆いているように聞こえてくる。


看護師さんが「どうしたの〜」と抱き上げると、ピタリと泣き止んでしまった。

私がこの子のママなんだから、しっかりせねば・・・と力みすぎの私・・・・。

隣の部屋の新米ママは、母親学級でも仲良くしてくれた優しい人です。

穏やかにお嬢さんを抱くその姿は、まるで聖母のよう。私は少しずつ、自信をなくして

いたように思います。

だから余計に、頑張らなくちゃ・・とスタート直後から飛ばし過ぎだったようです。

もちろん、どんなに頑張っても、体質や出産時の状態などで、母乳が出ないことも

あるようです。 そのことで、悩み、辛い思いをするママが少なくないそうです。

自分のせいで出ないのではないか・・子供が可愛そうだ・・どうして私だけ・・・

と涙を流していた友達がいました。

普段では考えられないほどに心が脆くなってしまうようです。

悪気はなくても、「母乳が一番なのにね・・どうして出ないのかしらね」などとお姑さんに

言われたりすると、もう母親失格だ・・と落ち込んでしまったり・・・

新米ママの心は本当にデリケートです

出産で疲れているし、ホルモンのバランスも激変しているし、責任感でガチガチの人も

います。  後になれば、たいしたことないと思えることが、耐えられなかったりします。

これからママになる人も、周りの人も、その事を理解していたら、必要以上に苦しまなくて

済むかもしれませんね。


ダメママだからつまずくのでは無いですよ・・

一生懸命だから、つまずくし、落ち込むのですよ。


どうしても母乳で育てたい、と焦ってしまう気持ちも、痛いほどわかります。

・・・頑張ってみる価値はあると思いますよ。

でも、それでもだめなら、自分なりの育児が必ずあるのだから、自信をもって育てて行きま

せんか。 あなたの子供は  「それでいいよ」と生まれてきてくれたのですから!

自分が生まれた事で、ママが悩んで悲しい顔をしていたら、きっと子供は自分の存在を

愛せなくなってしまいます。

子供は思い通りにならない事ばかりだけれど

自分が存在するだけで、ママが笑っている・・・私は、僕は、ママを幸せにできるんだ!・・

子供への 最初の贈り物は 命の自信。 自分の存在への自信・・・かな


子供は本来欲張りではありませんよ。大人と違って・・・・

あれこれおもちゃを欲しがるようにしてしまうのは・・・私達大人ですね。

その時、夜勤で見回りに来てくれた若い看護師さんが部屋に入って来ました

「どした〜?随分泣いてるね〜。お腹すいたかな〜?お母さんにおっぱいもらおうか〜」

と、抱き上げながら言いました。

「あ、飲ませたばかりですから、あと2時間くらいは 間をあけないと・・」

などと母親ぶる私に、「あんまり出てなかったんじゃない?ほれ、タコの吸出し療法!」

と胸に押し付けるように抱っこさせてくれました。

真っ赤な顔で必死に吸い付いているのを見て、これでは疲れてしまうのではないかと

心配になりましたが、看護師さんは笑いながら

「あのさ・・赤ちゃんだっておっぱい飲もうと必死なのよ、だから
    赤ちゃんの力を信じてみるのも良いと思わない?」

赤ちゃんの力?・・・・私の中で何かがはじけるような気がしたその時、すうーっと痛かった

胸が楽になり始めました。パジャマがびしょ濡れになるほど、あふれ出してきたのです

「やっぱり、出てなかったんだね」と言われると、何だか責められているように感じて

「あまり、出が良くないみたいだったから、ミルクを足していました」と言い訳。

「出るから飲ませるのか・・飲ませるから出るのか・・どっちなんだろうね〜」

とおどけて笑ってくれました。

その時から、あんなに痛かった胸が嘘のように楽になりました。

他の部屋の人がうるさくて起きてしまったらどうしよう、お願いだから泣き止んで!

泣きたいのは私のほうなのよ・・・ と・・早速パニック・・・・。

赤ちゃんは、ちいさいけれど、未完成ではないのかもしれませんね。

本当は、一番何でもわかっているのかも知れない。

伝えることが出来ないだけで・・・・・・。

そんな風に考えながら、わが子を尊敬の念を持ってみつめてみると、

不思議な気持ちがわいてきます。

忙しくて、大切なことを忘れながら育って来たのかもしれない私達・・

もう一度、一番大切な事を思い出させてくれる幼子達です。

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・・・・こうして私は、わが子に早速助けられました。・・

まだ、私は何もしてあげていないのに・・

くちびるを真っ赤にして鼻息も荒く、・・

母を助けたムスメは、心なしか何かをやり遂げたような・・

そんな誇らしげな顔に見えました。

母親だから、私のほうが何でも出来る、何でも知っている、そう思っていたけれど・・・

小さなあなたの方が、一番大切なことを知っているのかもしれないね。

飲ませたばかり、オムツも替えたばかり、部屋の温度も丁度いいはず・・

抱っこもしてみた・・それなのに、何故か泣き止まない

どこか悪いのでは?  どうしよう・・・・わからない・・私はママなのに。