足をかえるの様にひらいた状態から、 もぞもぞ もぞもぞ 手を力士のつっぱりのように動かし

体が後ろに下がり、やがてヨッコラショと頭が持ち上がり・・・ムスメは・・・・すわった。

満足そうに、
ニヤ〜っと笑いながら 自分の重みでグラ〜っとくずれていく・・・。

その時思った この子は寝返りが出来なかったのか、する気がなかったのか???


こんなに小さな子におかしな言い方かもしれないけれど・・

この子にも確かに「意思」と言うものがあるように思えてきたのです。

私はこうしたいのよ!と・・・繰り返す姿を見ていたら・・普通、と異常、の差は何だろう?

と言う思いが湧き上がってきた、

「違い」と言う言葉の方がしっくりと来る。

うるさい子、寝ない子、食べない子、泣き虫な子、臆病な子、甘えん坊な子・・
みんないろいろな個性をもっている。 

親の好みや 望む姿とは、一致しないかもしれないけれど。

歩ける子、歩けない子、見える子、見えない子・・それも「個性」なんだ。

みんなみんな、違う個性をもって生まれた子供達。

好きな事、嫌いな事、・・こんなに小さくても しっかりとした意思を持ち、

その子だけのスペシャルな人生を歩き出したのだ。

そんな気がして 頼もしくて、「あなたを見守ろう・・」 そう思えた瞬間でした。

まあ、すぐ忘れてぎゃあぎゃあ口出しするのですが・・・・・




検診で、「寝返りはいつごろから始めましたか?」と聞かれ 

「毎日勝手に座って遊んでます。元気です・・・」 と言うと

「勝手に座る?この子が?」と、信じられない様子。

そこでひょいとうつ伏せに置いてみると・・・・もぞもぞ ・とやりはじめ、ヨッコラショとすわった。

「まあ〜おかしい、おしゃまさんね」と・・豆粒みたいに座ったムスメを見て笑ってくれました。


ただ、首の力や手の力によっては、うつ伏せにすると危険な子もいるのだと言うことを教えていただきました。

色々な筋力がバランス良く育っていくと、
普通は寝返りと言う動きを始め、やがて座ったり

ハイハイしたりするのだそうです。

あくまでも平均的な時期などが、育児書にかかれていますが・・・・

この
普通と言う壁はとても厚くて冷たいものですね・・

普通が正しくてそれ以外はどこか変、と言う意味を感じさせてしまう。

自分が普通側にいるときは、全く感じない疎外感。・・人生のあちこちで出会う感覚ですね。

・・・・やはり少しどこかの筋力が弱いのかな・・とも思いましたが、このもぞもぞ動く小さな子が

たまらなく愛おしい気持ちになりました。


その後も、なぜか全くハイハイをしないムスメ。

よそのおうちに行けば、同じ月齢の子達はみんな ハイハイして遊んでいるのに・・

実家で過ごし、母に手伝ってもらい・・すっかり娘気分になっていた私・・・。

いよいよ家に帰り、今日からは 私が母親として 責任をもって暮らさなくてはなりません。

母子手帳やら、買いためていた育児書やらに頼り、「うちの子大丈夫かしら」と

些細なことが心配になる。 危うい新米ママのココロ・・誰も気がつきません。
本人だって、自分は冷静だと思っているのですからね。

子供を産んだからと言って、いきなり母親の才能が開花するはずないのに・・

まだまだ未熟な人間が、未知なる事にチャレンジするのですから、上手くいくほうが不思議。

そのくらいで良かったのですよね。

ところが、どうも世間では、赤ん坊を抱いている人は、
プロの母親だと思っているのですね。
上手に出来て当たり前だと・。

子供も親もいろいろです。 個性も 環境も 性格も・・・

だから、百組の親子がいれば、百通りの子育てがあります。

正解とか、間違いとか、簡単には言えませんね。

小さな子供を連れた人を見かけたなら、ああ、母親のタマゴね・・と思って欲しいです。

ゆっくりと時間をかけて、母親になって行く・・そんな人もいるとおもいます。


・・・・私がまず つまずいたのは「寝返り」でした


我が家のムスメは、いつまで経ってもしないのです。

始めは「個人差、個人差」なんて余裕のあるふりをしていたけれど、だんだん怖くなりました。
だって、普通ならとっくにしてもいいはず・・。

よせばいいのに、医学書など広げて考えられる病気を探して不安を広げてしまいました。

普通じゃないのかな・・・どうしよう。


んなある日のこと  、うつぶせにしておいたムスメが・・・・・かってに すわっていた・・

      

このページトップへ

私はまた・・・「ハイハイも、あなたの趣味じゃなかったのね」と思うことにしました

本当は、ハイハイすることで筋肉が鍛えられるから、たくさんさせた方が良いとのことです。

 ・・・・わかっています

普通に 発育してくれたらいいのに・・と、私も願っています。

本当は・・とても心配なのです。

ほんの小さなことが、気になって仕方ない・・・・はじめての子育て・・、不安だらけです。

家での暮らしスタート

戻る

信じられないことですが、本当にチョコンと座っていたのです。

寝返りもまだ出来ない乳児が・・・・。

狐につままれたような気持ちになり、とりあえず、ムスメをうつ伏せに寝かせ・・

しばらく様子を見ていると。。

そんなある日 あ〜う と呼ばれて振り向くと・・・ムスメが・・たっていた。

軽くつかまっているが、ほとんど一人でたっていた。

新米ママは忙しい。

あれもこれもやって、あ!
オシメ買わなきゃ、洗濯物たたまなきゃお散歩も行かなきゃ・・・
お昼寝の時間がずれると、夜寝なくなるから・・えーと・・

・・あら?
ウンチしたの?ハイハイ、チョッと待ってね〜。

・・え?夕方から
!?
じゃあ洗濯物 どうしよう、次のもの洗っちゃったよ!
どこに干そうかな。

 「ふえ〜ん」 「ハ〜イ、今行くから待っててね!」

ああ、電話だ「はい、もしもし、あ・・仕事?・・・はい、はい・・・・」 あれ〜?
寝ちゃった

今のうちに
離乳食を作ってみるか・・いや、チョッとだけ私も寝るか・・寝不足続きで疲れたし・・

でも・・雨降ったら
買い物きついな〜・・・・晩御飯・・魔法で出ないかな〜・・・

・・・・・出ませんね・・・。

可愛いには違いないけれど、それを味わうゆとりが、全くありませんでした。

もっと要領良く家事をこなし、落ち着いて暮らしているママもいますが  私は
いっぱいいっぱいでした

かけがえのない、幸せの中にいる事は、頭ではわかっていても、実感できない
すっかり生活に追われ、余裕を失くしていたように思います。

ある日、育児書通りに、
食器を消毒していました。 消毒薬剤につけたり煮沸したり。

「あ〜あ〜」「ワンワン」の声に振り向くと、仲良く遊ぶ一人と一匹・・・

ムスメはスリッパをくわえ、パフ君はおしゃぶりをくわえている・・・・・

どう考えても、逆であって欲しい。

ごうごうと湯気のたつ大鍋と薬剤の前に、大きなピンセットのようなものを手にして呆然と立つ私。

まるで魔女だ・・・自分がおかしくてたまらなくなった。

・・お散歩から帰ったパフ君が歩くその床で履くスリッパ・・をかじるムスメ・・。

もちろん それは、正しいことではないけれど・・ムスメは着実に 生活し始めていたのです。

私はその日以来、食器の消毒をやめました。  きちんと、丁寧に洗えば良いのです。

あれをやる
べき。こうするべき。こうなるべきべきべきべき・・・

べきに追われ、ゆとりを失くし、愛しさや、幸福感が湧き上がってくるのを感じる余裕がありませんでした。

スリッパくわえたムスメが欲しいのは きちんとした母役を演じる私ではなく

少しくらい はずれていても良いから 心から太陽みたいに笑う私です。

思わず駆け寄り、くちゃくちゃにくすぐり、心のしっぽをちぎれそうにふって遊びました。

ゆとりを持って ちゃんと遊ぼうね・・・ぎゅうううううううううって抱っこして、ごろごろしよう・・・、ね。

ほっぺにチュウすると、ふわ〜んとした甘い匂いがして、愛しさがこみあげてきました。

愛しさも、絆も 頭で理解するものじゃない、心で感じるものなんだ・・

そんな当たり前のことも、 張り詰めて 疲れると わからなくなるのですね、

ダメママだからではなく、一生懸命だから。

わからなくなったら・・

抱っこして ちゅうして すりすりして 匂いをかいで コチョコチョして ・・・

今夜のご飯は手抜きでいいから・・・  掃除も今日はパス!

そんな日を自分にあげてください。

今、今、今・・こんなに可愛い子と寄り添える今を、しっかりつかまえてください。

今の幸せを感じられずに、いったい いつ、しあわせになれるのでしょう・・?

あっという間に終わってしまう育児です・・。



反省を込めて・・・・・・・・・・・

そんな私を励ますように 犬のパフ君を従え 逞しく立つ姿は まるで西郷どん

「あ〜う」 と笑うその笑顔に、どれほど救われたことでしょう


生きていることが楽しくてたまらない パフ君と 

不思議な成長過程をたどるムスメと・・

母親失敗作みたいな私・・・

最強(最悪?)な仲間は、こうして珍道中を歩み始めたのです。