レイさんの部屋
  

声優の顔

後ろ向きで失礼いたします。

これには訳がありまして・・・ずっと前、友達のお子さんと
初めて会った時のこと

「今日、バタコさんにあえるよ」と言う母の言葉に大喜びのおチビさんは
覚えたての字で一生懸命手紙を書いて 待っていてくれました。
「ばたこさんあそぼうね」

ところがやって来たのは、大人の私・・・

「ほら、バタコさんよ」と言うお母さんの手を、泣きながら振り切って

「ばたこしゃんじゃない〜!ばたこしゃんは?え〜ん」

可哀想な事をしました。
私は特に子供向けの作品が多いのですから 考えてあげるべきだったな・・と思いました。

声優、という人そのものに会って面白いと思うのは、もう少し大きくなってからだよね・・と。

「おばちゃんはね、バタコさんの友達なんだよ
今日はパン工場がとても忙しくて バタコさんは来られなかったの
ごめんね、お手紙、渡すからね」


と謝り、後から電話で話しました
「バタコよ!おてがみありがとう!」・・すると、
「ばたこしゃん! あのね わたしね・・・」

・・・とはじけるような声で話してくれました。

そんな訳で・・いろいろなタイプの声優さんがいますが、私は姿のない存在でいたいなぁ・・
なんておもう訳です。

キャラクターを 生き生きと生かすための ごく一部 そのお手伝いが出来たら・・・
しあわせだなあ・・と思います。

大勢の人の手によって出来上がるキャラクター達。
最後の仕上げは 見る人の心の中で 育てること だと思います。

だから 自分だけの たった一つのキャラクターとして 心の中に生き続けるのだと思います。

それを続けているうちに・・「声優」と言われる自分がいました。

私は 声優さんみたいな事 を精一杯まねしていたような感じでしたから 
そう呼ばれることは ちょっと 図々しいような気分でした。

でも 長いこと こうして声を使った仕事をしてきて・・
少しは皆さんに認めていただけるようになったかな。

「声優」と言う、いわば職人に与えられる称号のような呼び名で呼んでいただけることに
心から感謝しています。

本当にたくさんの素敵なキャラクターと出会わせて頂いた幸運、
そして、暖かく見守ってくださった皆様に、感謝しています。

これから、「声優」と言う仕事を通していただいたしあわせを色々な形でお返しして行けたらな
・・と思っています。

そんな「マイペースのかたまり」 のような私ですが
随分たくさんの仕事をさせていただいたものです。

実は、自分の事を「声優」だと、人に言われるまで、あまり自覚していませんでした。

もともとソフトボールに燃える、少年のような心と体(?)の高校生だった私が
怪我をきっかけに もうひとつの夢であった「芝居」の世界に行こう!と飛び込んでしまったのが
どう言う訳か アイドルの世界・・(汗)

合うわけもなく、「入り口間違えた〜!」 と苦しみました(笑)

軌道修正みたいな日々を送るうちに、たくさんのかわいいキャラクターと出会い
そのひとつひとつが楽しくて・・・ただ自分の出来る限りのことをやってきた。 それだけ。